2022年大晦日 NFTについて考えてみる

あえて裏を取ることはせず、今年NFTに接してきた経験ベースで今の自分の考えをまとめておく

最も革新的なことは何なのか?

世界中の人々全員で共有するデータベースに記録を保存・管理できるようになったこと

これまでは大企業、国家といった大権力のもとで保存・管理されるのが当然と思っていた
ブロックチェーンという技術の出現により、そのような権力の外側で、世界中の全員が監視するという方法によって記録の保存・管理ができるようになった

世界の共通財産としてのデータベースが出現した

インターネット上に存在するあらゆる情報が既に「世界の共通財産」と感じている人もいると思う
しかしこれは勘違いで、あらゆる情報はどこかの権力が管理するサーバーに保存されている
万が一この権力が崩壊した時には、その情報は消滅する可能性がある

ブロックチェーンに刻まれた情報は、(地球そのものがなくならない限り)消滅しない
「本当にそんなことが可能なのか?」と感じる人もいるだろう
それこそが、世界中の全員で(正確には世界中に広く散らばった無数のコンピュータによって)監視することで可能になった、革新的な技術なのである
つまりブロックチェーンという革新的な技術により、世界で最も信頼できるデータベースが登場した

「信頼できる」データベースとは

権力による隠ぺいや改ざんが不可能であるということ
全てが公表されており透明ということ
そして、ここに刻まれた記録は今後地球の歴史から消滅せず、残り続けるということ

既存の権力により保証されたデータベースは、厳密には上記の条件を満たしていない

権力により成り立っていたシステムが平等に人々のものになる

ここまでの話が真実なのだとしたら、大企業や国家という権力を上回る信用が登場したということになる
これまでは権力によって成り立っていた・保証されていたものがブロックチェーンという技術に移行する未来がやってくる可能性がある

これが自分を含め、世の中の一部の人を熱狂させているポイントなのだと思う

ここが現段階での想像力の働かせどころ

「権力によって成り立っていた・保証されていたもの」とは何だろうか?
お金、権利、資格、論文・史実などのデータベースなどなど
ここで多くのものが想像できれば、今後起こってくる世界の変化に対応しやすくなるだろう

現段階ではあえて話題をしぼることで理解を深めていきたい
権力による保証のもと、皆が信頼することで成り立っているシステムの代表こそ「お金」である
事実、ブロックチェーンという技術はビットコイン(=お金)というシステムにより実装された
ビットコインは、どこの国家でもなく、どこの企業でもなく、世界中に分散したコンピュータが監視することで信用を保証しているお金である
今はまだ信じていない人もいるためその価値が変動しやすいというリスクはあるが、今後信用が蓄積されていくのであればお金としての役目がより強固になっていくだろう

ここでようやくNFT

NFTとは、この世界共通データベース上で存在が保証されたデジタルデータである
一般的に良く知られた「デジタルアートが唯一無二であることを証明する」のは解りやすい一例だろう
保証されているという事実に対する信用はかなり高いといっていい
実際には国家、企業それぞれに信用力の差があるように、チェーンごとの信用力には差があるが、
イーサリアムのように既に分散化が進んだチェーンであれば信用力は極めて高い


以上から考えると「改ざんできない事実の記録」として価値を発揮するものとNFTは相性がよい
資格、権利などはまさに相性が良いはずで、将来は資格や権利を証明するNFTが実装されるだろう
ただ、事実としては2022年の日本ではNFT ≒ プロフィールピクチャーであった

プロフィールピクチャーというNFTを考える

プロフィールピクチャー(PFP)はただのデジタル画像である
データベースに刻まれるのは、「あるデジタル画像が、どのウォレットで、いつ、生成され・移動したか、その時に発生した手数料はいくらか」である
(※ここではウォレットや手数料の説明は省く、また多くの場合デジタル画像そのものではなく、保管されている場所のアドレスデータである)

自分にしか操作のできないデジタルの財布(=ウォレット)に、デジタル画像=PFPが移動してきて、現在保管されているという情報がデータベースに刻まれている状態が、このPFPを所有しているという状態であり、しかもこの事実が権力の保護なしに全世界から保証されているのである

プロフィールピクチャーに価値はあるのか?

以上のように考えを進めてくると、一部のPFPに高額な金銭的価値が結びついていることは必然とはいえない

割と納得ができる考え方は以下の2点
1.画像そのものが自分にとって幸福度を高めるものであれば価値がある
2.画像に権利や資格を付与する機能もあるため、この権利や資格が自分の幸福度を高めるものであれば価値がある

→これらは確かに自分にとって価値があるといえるが、金銭的価値とは直結しない

金銭的価値が発生するかどうかは、あくまで需要と供給のバランス
PFPは、それを生成したファウンダーやコミュニティとの関係をデータベースに刻んで証明したもの
ファウンダーやコミュニティが価値を生んでおり、信頼が蓄積されると需要が大きくなる
PFPの多くは供給量が限られているため、需要が大きくなれば金銭的価値が高まる

まとめ

NFTは革新的な技術であり、まだ黎明期であるため世の中での評価が定まっていない
考えを深掘る前の整理、他人に説明する時の土台作りとして、一度は自分の頭で考えておきたかった
自分にとってのNFT元年であった2022年大晦日に、現時点での考えをまとめておいた

2024年4月に追記

スタンドエフエムにて6回シリーズで収録
https://stand.fm/episodes/662f92714f34ab28c47f6d4c
https://stand.fm/episodes/662f9310119d12080d15eeab
https://stand.fm/episodes/663091a0927b3a8c644c1efc
https://stand.fm/episodes/663091ee927b3a8c644c1f03
https://stand.fm/episodes/66344dc87813a8f13343d221
https://stand.fm/episodes/66344e27761282f5408c4b81

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