MU 04.懸垂は背中より腕の種目と考えてOK

前の記事から続く目標

懸垂10回到達にたとえ1年以上かかっても、継続できるようモチベーションを維持させること。
感情に訴えながら、懸垂のコツを少しずつ語っていきます。
今回は、基礎力がない人達にとって懸垂は背中より腕に効くのが当然ですということを伝えたい。

懸垂が背中の種目であるという呪縛

背中を意識することは大事です。
しかしこれは、もう少しできるようになってからの話だと考えた方が良いです。
最初はどれだけ背中を意識しても、腕にきます。
(もっと言えば鉄棒を握る手のひらが最初にやられますが、これはもっと先の記事にまわします)
基礎力がない人(↓再掲、こんな状態の人)にとっては、最初は腕の種目だと割り切りましょう。

強い人達は腕も強いんです。だから腕には目がいかない。
ところが基礎力がない人にとっては、まず腕が育たないと懸垂なんてできません。
「懸垂のフォームがいまいちだから、背中ではなく腕で引いてしまっている」というような解説もよく見かけますが、腕で引けるだけまだマシなんです。腕で引く力さえないのが筋力的に不利な人達です。

二頭筋だけでなく、三頭筋(長頭)が強烈に働いている=上腕が育つ

懸垂の動作を見てみましょう。

上図の左が懸垂のボトムポジション(スタート)、右がトップポジション(フィニッシュ)です。
どこから、どこに向かって筋肉で引っ張る力を加えたらこのような動きができるでしょう?

脇を閉じるためには下図のように背中から肘に向かって筋肉が伸びているのが理想的です。
この筋肉が矢印方向に縮めば、脇を閉じるように肘が背中に寄ってきます。

ただ、実際にはこんなマントのような形では筋肉は存在せず、もっと脇近くに付着してます。
下図が本当の広背筋に近い走行。上図のように肘を背中に引っ張るより、脇付近を引っ張っているため効率が悪い感じがします。

では、背中に肘付近を引っ張るように付着している効率の良さそうな筋肉はないのでしょうか?
実はあります。肩甲骨の裏から肘に向かって付着し、背中方向に肘を引っ張ります。
これが上腕三頭筋の長頭です。誤解を恐れず描くと下図の通り。


上腕三頭筋の一般的な理解は、肘を伸ばす動作(腕立て伏せとか、ベンチプレスの動き)という理解で正しいです。しかし長頭だけは肩甲骨から肘に付着しているため、脇を締める動作になります。
懸垂をやると三頭筋に疲労を感じるのはこのためです。
つまり、脇を締めてくる動作は広背筋と三頭筋を強烈に使う動作なのです。

肘を曲げるのに二頭筋というのはあまりにも一般的なので説明は割愛します。

ここでさらにストレッチポジションが効いてくる

上で説明した通り、脇と肘を閉じるという懸垂で必須の動作を行えば、広背筋・上腕三頭筋長頭・上腕二頭筋を使わないことが不可能だということが分かります。
そして、肘と脇を伸ばしてぶら下がった状態になると、広背筋・上腕三頭筋長頭・上腕二頭筋がいずれもしっかり伸びて、いわゆるストレッチが効いた状態になるのです。


「肘と脇を伸ばしてぶら下がり、あごが手の高さになるまで体を持ち上げる」という動作さえ行えば、細かいことは気にしなくても広背筋・上腕三頭筋長頭・上腕二頭筋は強くなる。
だからこう↓なるんです

まとめ

懸垂は背中だけでなく、上腕もしっかり育つ種目です。
最初に腕が疲れてしまうのは当然です。
それをしている間に腕で身体が持ち上げられるようになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました