MU 12.フォルスグリップは練習する必要ありますか?

完全無反動のクリーンマッスルアップを目指すのでなければ後回しでよい

はい、これが結論です。
こんな高難易度のマッスルアップを最初から目指すのは現実的ではないので、フォルスグリップは後回しをお勧めします。

メリット・デメリットを知って自分にあった方を選ぶことが大切

フォルスグリップのメリットは以下の2つです。
①背中に力が入れやすくなる
②懸垂→ディップスで手の握り直しが必要なくなる

②については下図の通り、懸垂とディップスでは鉄棒を握ったときの手の向きがかなり違っています。
懸垂からディップスへ移行する際に、これだけ大きな手の握り方の変更が必要ということです。


フォルスグリップにすると、むしろ背中(や腕)に力が入れにくいと感じる人には向きません。
そもそも手首が固いとフォルスグリップでは肘を伸ばしてぶら下がることすらできない人もいます。
無理にフォルスグリップにこだわると手首や肩を痛めるリスクすらあります。
このような人はデメリットが大きくなりますので、フォルスグリップは後回しをお勧めします。
フォルスグリップを完全にあきらめても、マッスルアップはできるようになります。

フォルスグリップらしきことをしようとする発想にはメリットあり

試しに懸垂のグリップ(↓これ)のまま、ディップスをやろうとしてみましょう。

絶対にできません。一方でディップスのグリップ(↓これ)のまま懸垂をやろうとしてみましょう。

自然とフォルスグリップっぽく握ることになります。
ようするに懸垂を行う時点で、その後手の握り直しが必要なことを意識して、なるべくディップスに近い握り方に寄せておくだけでよいのです。
手首、肘、肩などに無理を感じない範囲で、懸垂の握りを少し前方に回しておくのです。

この感覚が分かりにくい場合は、ぶらんこや雲梯など太めのバーでやってみることをお勧めします。
太いバーでは握ることが難しいため、手をバーの上に引っ掛けるような形でぶら下がることになります。
これはディップスに近い手の置き方になるので、フォルスグリップの発想に近い握り方となります。

マッスルアップにおけるトランジションは本当に難しいのか?

マッスルアップは引く動作(=懸垂)から押す動作(=ディップス)へつなげる種目です。
この移行(=トランジション)が一番難しいという意見をよく聞きます。
が、できるようになってみての実感としてはトランジションもテクニックではなく、結局のところ懸垂とディップスのパワー・質によるところが大きかったと感じています。
懸垂でより高く身体を持ち上げる力があって、より深い位置からディップスで身体を押し上げることができれば、その間に手の向きは自然と変化させることができます

懸垂10回、ディップス10回という目安にだまされてはダメ

結局この、それぞれ10回という目安にだまされてしまってはいけないと思うのです。
それぞれ10回ずつできるようになったのに、マッスルアップはできない。
だからトランジションの練習やフォルスグリップが必要なのだと勘違いしてしまう。
ここまでの記事で書いてきたように、この10回ずつという目安の方が間違っていると思います。
回数だけでなく、質の伴った懸垂・ディップスができなければマッスルアップはできません。

まとめ

フォルスグリップそのものにこだわる必要なし。
なるべくディップスに近づけた手の位置で懸垂するように心がければよい。

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